国技館へ出かけて。
一度は観にいきたいと思っていたおすもう、観てきました。
折りしも千秋楽間近、
近づくに連れてそこらの空気が熱を帯びはじめてうきうきも加速、
風にはためくのぼり、聴こえるはずのない歓声が届いて。
到着した昼過ぎには狙っていた一番遠い席は満席、
2階中ほど、5000円の椅子席を奮発しました。
幕内のおすもうさんの入り待ちの声を背中に聴きながら
さらにうきうきを募らせて。国技館に足を踏み入れます。
初めて観るおすもう。
その、迫力に圧倒されました。
どすん、と、組み合った瞬間、からだのぶつかりあう音が聞こえます。
ばしん、ばしん、てのひらがお互いのからだを張り合う、
巨体が巨体をじりじりと押し込んでゆく、腹の肉をかいてまわしに手を伸ばす、
土俵際、追い詰められた力士の大きく反り返る、肢体。
まったく、あんぐりと口をあけたまま、見入ってしまったのです。
片耳で館内用の解説ラジオを聴きながら、その解説に耳を貸す間もないほどに。
知らず、面白い日にでかけたようで、
今場所の結果を左右する取り組みが次々に取り組まれてゆきます。
満員御礼の場内はおまつりのような熱気に包まれていました。
冷えたビールでほてりを冷やしながら
熱に溶け、声をあげ、しているうちにあっという間に時はすぎて。
戦うだけじゃない、定められた儀式のひとつひとつ、
歴史の洗礼を受けたもののもつ研ぎ澄まされた美しさは
見る人を酔わせます。
美しい、場所でした。
それが今もそこにあって、これからも、そうあるだろうことが、うれしい。
またきます、と。ぺこりと頭を下げて、その場をあとにした。